オフショアソフトウェア開発
ホーム/ブログ/AIを活用したインハウス開発とハイブリッド型オフショア
オフショア開発AIインハウス開発円安ブリッジSE

AIを活用したインハウス開発とハイブリッド型オフショア

生成AIを活用したインハウス開発は外部委託費を抑えられる一方、PMへの負荷集中やレガシーシステムのリスクといった課題があります。3つの課題と、BrSEが共同PMを担うハイブリッド型オフショアをご紹介します。

Alex V.
Alex V.Business Development Center Manager
AIを活用したインハウス開発とハイブリッド型オフショア

はじめに

円相場の変動が続くなか、日本のIT企業は外部委託の開発コストを含め、さまざまな課題に向き合っています。同時に、GitHub CopilotやCursorといった生成AIツールにより、エンジニア一人が書けるコードの量は大きく増えました。こうした状況で、開発の一部を社内(インハウス)に戻すという判断は、戦略として十分に理解できるものです。

AIを活用してコストを抑え、プロジェクトを自社で直接コントロールしようとする取り組みは、経営層の変革への強い意志の表れだと考えています。一方で、東京・大阪の多くのお客様とお話しするなかで、実際の運用段階に入ってから共通して見えてくる「盲点」があります。それは、PM(プロジェクトマネージャー)への負荷の集中と、システムアーキテクチャに潜むリスクです。

本記事は、インハウス化という選択を否定するものではありません。私たちが現場で見てきたことと、検討いただける役割分担の一案をご紹介します。

1. AIを活用したインハウス開発で見えてくる3つの課題

AIはコードを書くスピードを上げてくれますが、プロジェクト管理や品質管理の負担まで引き受けてくれるわけではありません。多くのチームでは、その負担が経験豊富な少数のメンバーに集まります。

課題1:PM・テックリードが「AIのレビュー担当」になる

AIは数分で数千行のコードを生成できます。しかし、そのコードが業務ルールに合っているか、安全か、既存システムと整合しているかを判断するには、経験のあるエンジニアが一行ずつ読む必要があります。その結果、本来は市場の把握やビジネスロジック、製品の方向性に時間を使うべきPMやテックリードが、プロンプトの作成、コードレビュー、不具合修正に一日の大半を費やすことになります。

中核となる力が、細かな作業に取られてしまう状態です。

課題2:既存システム(レガシーシステム)との整合性とセキュリティ

AIは、範囲が明確な個別の課題には強みを発揮します。ただ、長年運用されてきたシステムには、データの制約、明文化されていない業務ルール、厳しいセキュリティ基準があります。こうした環境に組み込む場面では、AIはシステム全体の文脈を十分につかめないことがよくあります。

独立したQAチームと計画的なテスト工程がないと、小さなずれを本番リリース前に見つけるのは難しくなります。障害が起きた場合、対応コストやお客様への影響を含め、リスクはすべて自社で負うことになります。

課題3:人材配置と機会コスト

外部委託の費用は下がっても、機会コストは上がります。日本の管理職の時間は貴重な経営資源です。その時間を、プルリクエストのレビューや回帰テストの実行といった純粋に技術的な作業に充てることが、長期的に見て費用対効果の高い使い方とは限りません。

総コストを比較する際は、外部委託費の削減額だけでなく、この時間も含めて検討することをおすすめします。

書類の束の下の裂け目から硬貨がこぼれ落ちる様子。PMが技術作業を抱えることで生じる見えにくい機会コストのイメージ

2. オフショア開発も変わりつつある:「受託」から「共同管理」へ

こうした状況を受けて、ARIS Vietnamを含むベトナムのオフショア開発会社も、自らの役割を見直しています。日本のお客様が求めているのは、仕様書を受け取ってコードを書くだけのチームではありません。AIだけでは担いきれない技術面の運用を引き受けられるチームです。

そこで私たちは、AIを組み込んだハイブリッド型オフショア(AI-Augmented Offshore)を提案しています。役割分担は次のとおりです。

日本のお客様が担う部分: 製品の方向性、ビジネス要件、市場戦略に集中していただき、重要なマイルストーンでの意思決定を担っていただきます。

ARIS Vietnamが担う部分: ブリッジSE(BrSE)とPMが「Co-PM(共同PM)」として、要件の受け取りと仕様の明確化を行います。合意したルールの範囲でAIを活用して開発を早め、コードレビュー、テスト、成果物の品質に責任を持ったうえで納品します。

AIの活用範囲はプロジェクトごとにお客様と合意し、メインブランチへの変更はすべてエンジニアがレビュー・承認します。これはARIS Vietnamが発表したHybrid Delivery Modelの原則でもあります。

3. 2つの体制の比較

AI活用のインハウス開発ARIS Vietnamとのハイブリッド型
プロンプト作成・AIコードのレビュー日本側のPM・テックリードARISのBrSE・エンジニア
テスト・品質保証社内チームで実施ARISのQAチームが実施し、結果をご報告
日本側PMの時間の使い方技術的な作業が中心ビジネスロジックと製品に集中
障害発生時のリスクすべて自社で負担合意した責任範囲に応じて分担
受け取る成果物引き続き確認が必要なコードテスト済みの製品とテスト報告書

比較図:AI活用のインハウス開発ではレビューとテストが日本側PMに戻り負荷が集中、ハイブリッド型ではARISのBrSE・AI+開発・QAが担当

インハウス型ではレビューとテストが日本側PMに戻り、ハイブリッド型ではBrSEからQAまでをARISが担当します。

インハウス型では、「プロンプトを書く → AIがコードを生成する → PMがレビュー・テストする」というループが、常にPMのもとに戻ってきます。ハイブリッド型では、日本側のPMがビジネスロジックをBrSEに渡し、ベトナムのチームがAIとともに開発し、ARISで検証したうえで完成した製品をお届けします。

AI時代のBrSEの役割については、AI時代こそ、ブリッジSE(BrSE)の真価で詳しくご紹介しています。

おわりに:持続的な価値をともにつくる

AIは人を自由にするための技術であり、優秀な人材を不具合修正に縛りつけるためのものではありません。AIの力、日本企業のビジネスの視点、そしてベトナムチームの柔軟な技術運用を組み合わせることは、円安の時代に品質とコストを両立させるための一つの選択肢になると考えています。

ARIS Vietnamでは、お客様が実際に抱えている課題をうかがい、柔軟で安全な協業の形を一緒に設計していきます。PM/BrSE体制や契約形態については、ベトナムオフショア開発のご案内をご覧ください。

Alex V.
執筆者Alex V.Business Development Center Manager
👁️0 閲覧

AIのレビューやテストに、PMの時間が取られていませんか?

ハイブリッド型オフショア(BrSEがCo-PMとして参画し、AIを活用した開発・QAをARISが管理する体制)について、BrSEと30分のオンライン相談を承っています。

30分の無料相談を申し込む← ブログへ